管理費は通常、物件を管理するために必要となる費用のことをいいます。例えば、インターホンや電灯、掃除業者や管理人への人件費などがこれにあたります。又、貸主が不動産業者に管理を委託していれば、その費用も管理費から支払われることになります。
共益費は通常、共用部分の管理に要する費用をいいます。
共用部分には、エントランスホール、階段、廊下、トイレ、エレベーターやエスカレーター等昇降設備、給排水設備、防犯・防火設備等があります。
これらの管理に要する費用のどの範囲を管理費・共益費とするかはビルによって様々です。
以上から、管理費・共益費は似たようなもので、徴収する際にはどちらか一方、もしくは「管理費・共益費込み」などと表示されます。
分譲マンションとは異なり、貸ビルにおいては管理費・共益費の実額が借主に開示されることは稀ですし、賃料と同様に定額を毎月支払う場合は、賃料と同視されるべきといえます。実際は賃料を割安に見せるため共益費という名目を立てて、賃料を事実上分割するような慣行もあります。
ただその方が敷金・礼金などが高くならずに済みます。
これとは別に、付加使用料としての共益費もあります。例えば、借主の専用部分の電気代、水道代、ガス代、冷暖房費で、これら費用が共益費に含まれることがあります。この場合は賃料と同視ではなく、付加使用料として位置づけられることになります。