万が一、火を出してしまったら損害賠償はどうなりますか?

事業用賃貸

法律(失火責任法)で借主が火災の火元だったとしても、重大な過失がなければ、貸主に対して建物の建て替え費用など損害賠償責任は負わなくてよいとされています。

逆に、隣家、隣室から出た火災によって、自分の部屋に被害があり、部屋、建物が焼失しても、その失火者に家財一式を弁償させるなどはできないことになります。

また、火災を起こしても重大な過失がなければ損害賠償責任は負わないことになりますが、借主には、賃貸借契約によって退去時に「原状回復する義務」が課せられています。
万一火災によって建物が焼失したり損害を与えた場合は、原状回復するための義務があり、それができない場合は損害賠償責任が発生します。

そのために、借家人賠償責任保険に加入しておくと安心です。

※失火で重過失と認定された判例

・石油ストーブの火をつけたまま、かつ、カートリッジタンクのふたの閉まり具合を確認しないまま、石油ストーブに給油したことでこぼれた石油に石油ストーブの火が引火して火災が発生した事例

・点火中の石油ストーブから75cm離れた場所に蓋がしていないガソリンの入ったビンを置き、ビンが倒れて火災となった事例

・寝たばこの火災の危険性を十分認識しながらほとんど頓着せず、何ら対応策を講じないまま漫然と喫煙を続けて火災となった事例

・主婦が台所のガスこんろにてんぷら油の入った鍋をかけ、中火程度にして、台所を離れたため、過熱されたてんぷら油に引火し、火災が発生した事例

・電気こんろを点火したまま就寝したところ、ベッドからずり落ちた毛布が電気こんろにたれさがり、毛布に引火し火災になった事例